血管炎

・難治性血管炎の医療水準・患者QOL向上に資する研究班」より、それぞれの病気に関する情報が動画で提供されています。

動画ページへ掲載しています


ベーチェット病

 

 口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の

 4つの症状を主症状とする慢性再発性の全身性 炎症性疾患

 です。トルコのイスタンブール大学皮膚科Hulsi Behçet教授

 が初めて報告し、この名がつけられました。

 

 

 

 

 

 

高安動脈炎

 

 大動脈やそこから分かれている大きな血管に 炎症 が生じ、

 血管が狭窄したり閉塞したりして、脳、心臓、腎臓といった重要

 な臓器に障害を与えたり、手足が疲れやすくなったりする原因

 不明の 血管炎 です。炎症が生じた血管の部位によって様々な 

 症状がでます。

 わが国の高安右人教授が1908年に初めて報告しましたので

 高安動脈炎と呼ばれています。かつて大動脈炎症候群とも言

 われましたが、病変は大動脈以外の全身に生ずることがある

 ため、現在は高安動脈炎と呼んでいます。

 


多発血管炎性肉芽腫症

 

 以前はウェゲナー肉芽腫症と称されていた疾患で、1939年に

 鼻と肺の肉芽腫 、および全身の血管炎と壊死性半月体形成性

 糸球体腎炎を示した3症例がはじめて報告されました。

 発熱、 全身倦怠感 、食欲不振などの 炎症 を思わせる症状と

 鼻、眼、耳、咽喉頭などの上気道および肺、腎の3つの臓器の

 炎症による症状が、一度にあるいは次々に起こってきます。

 その原因は、今のところわかっていませんが、全身の血管の

 炎症による病気(血管炎)の一つで、免疫の異常が病気の成り

 立ちに重要な役割を果たしています。

 

結節性多発動脈炎

 

 動脈は血管の太さから、大型、中型、小型、毛細血管に分類さ

 れます。 結節 性多発動脈炎は、この内の中型から小型の血管

 の動脈壁に 炎症 や 壊死 を生じる疾患です。動脈は全身の

 諸臓器に分布していますので、腎臓、腸、脳、心臓、皮膚など

 多彩な臓器に症状を呈します。

 

 

 

 

 


顕微鏡的多発血管炎

 

 腎臓、肺、皮膚、神経などの臓器に分布する小型血管(顕微鏡

 で観察できる太さの細小動・静脈や毛細血管)の血管壁に 炎症

 をおこし、出血したり血栓を形成したりするために、臓器・組織

 に血流障害や 壊死 がおこり臓器機能が損なわれる病気です。

 とくに、腎臓の糸球体と呼ばれる毛細血管および肺の肺胞を

 取り囲む毛細血管の壊死をともなう炎症が特徴的です。

 

 

 

好酸球性多発血管炎肉芽腫症

 

 気管支喘息やアレルギー性鼻炎をもっている患者さんで、白血

 球の一種である好酸球が異常に増加して、体の様々な場所の

 細い血管に炎症(血管炎 )を起こし、血液の流れが悪くなって

 種々の臓器の障害を生じる病気です。早期に炎症をとる治療

 を行うことで血管炎が抑えられて、症状も改善しますが、 末梢

 神経の障害によるしびれは長く残ることがあります。また、治療

 を弱めたり中止したりすると、しばしば再発しますので、慎重な

 観察が必要です。